イケメン俺様ホストの、猫可愛がりな溺愛関係
遠くに行くお金もなく、帰れるあてもなくて、道端のガードレールにもたれていた。
これから、どうしよう……道行く人たちを眺めながら、ぼんやりと考える。
考えたところで簡単に答えが出るわけもなくて、行き先もないままに、ふらふらと街をさまよい歩いた。
目的もなく歩く内、やがて外が白々と明けてくる。
「……朝」
もう、レオンは家に帰ったかなと思う。また、酔っ払ったりしてないかな……。
……レオン、もうあんまり酔わないでね……。
歩いても歩いても、思い出されてくるのは彼のことばっかりで、ちっとも頭から消え去ってくれなかった。
……思ったって、しょうがないのに。もう、忘れなきゃいけないのに……。
首にずっと付けてるチョーカーが、小さな鈴の音を鳴らして、
彼に初めて買ってもらった時のことが浮かぶ。
もうどうしたって、戻れないのに、振り払うことができない想いに、道端にしゃがみ込んだ。
……虚しさとやるせなさと、自分の情けなさと、そうして襲ってくる彼への恋心がごちゃごちゃに入り混じって、一度座り込んだらもう立てそうにもなかった……。