水色



指輪があった。



私は泣くしかなかった。


「まだ、安っぽいもんしか買えねーけどいつかちゃんとしたの買ってやる。」

「ううん、これだけで充分。」

「愛してる。」

そう言いながら私の左手の薬指にはめてくれた。


「返事は?」


返事なんて決まってる。

「よろしくお願いします。」

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