【番】甘々なボスに、とろけそうです。
行ってくるよ、と少女のように可愛い寝顔にキスをする。
そしてミコに背中を向けた、そのとき。
「……ん……ボス、」
ミコが俺を呼んだ。
いいや、違う。寝言だ。寝言まで可愛い。
ミコの元に戻り、もう一度キスをした。
今度は、頬でなく唇に。
「……ボス?」
目を覚ますミコ。
「あれ、今、何時です?」
寝ぼけ眼(まなこ)だったのが、途端に目を覚ましたらしい。目を見開いて、驚いている。
その変化ですら、見ていて愛しい。
「5時半だ」
「えぇ? もう、行くんですか……!?」
「そのつもりだったんだが」
携帯を手に取る。
「室井か。至急、1時間ほどあとの席をおさえておいてくれ」