【番】甘々なボスに、とろけそうです。
電話を切る俺を、心配そうに見るミコ。
「起こしてすまない」
「そんなことより……もしかして、出張ですか?」
「夜には戻る」
「そうなんですか……! お気をつけて!」布団から慌てて出てこようとするミコを、押し倒す。
「予定変更だ」
「え?」
目を丸くするミコ。
そしてすぐに、頬を緩める。
安堵。喜び。
おおかた、まだ一緒にいられるとでも思っているのだろう。
「どうしてそんなに……」
可愛いんだ……?
「は、ハヤトさん?」
つくづく、怖い女だ。
打算なんてひとつもない、ありのままのミコが、俺をこんなにも夢中にさせている。
素直で、混ざりけのない……少女のようなミコ。
もう何度も肌を重ね合わせたというのに、まだ照れ気味に俺を見上げるお前が――昨夜は俺の上で乱れたのだから、たいしたものだ。
「もうちょっと、一緒にいられるってことですか……?」
「あぁ」
お前はこれからも、俺の知らない部分を見せてくれるんだろう?
「……っ……」
抑えるな。俺の前で、我慢なんてするな。
「ちょ、ハヤトさん……朝だから……」
下着を脱がせようとするも、抵抗するミコ。
「朝だから?」
「部屋、が……」
「ん?」
「……いじわるっ」
明るい。よく見える。
それが、恥ずかしいのだろう?
「……わかった。これ以上はしないから、こっちを見ろ」