【番】甘々なボスに、とろけそうです。
ぱちくりと、目を開ける。そうか。布団の重みで起きたんだ、きっと。
「俺が、どれだけお前のことを愛しているか……知らないだろう」
「……ボスは、素敵だから。私は、どこにでもいる大学生なのに」「ミコの代わりなんて、どこにもいない」
ボスは起き上がると私をひょいとお姫様抱っこして、寝室まで連れて行く。
「なぁ、ミコ」
「はい……」
「ただ行為がしたいだけなら、時間をかけて、こんなことまでする必要なんてないだろう?」
首筋に、優しくキスしてくれるボス。
次第に、胸元まで唇がおりてくる。
「は……はい……っ」
くすぐったさと、心地よさと、愛しさが入り混じる。
「なのになぜ、するかわかるか」
どうしてですか、と返事したいけれど――できない。
口を開けば、自分でも恥ずかしいような声が漏れ出そうだったから。
「お前が喜ぶと俺も嬉しいからに決まっているだろう」
ハヤトさん……
「今日は、お前が動け」
「ふぇっ?」
変な声が出た。なんともギャグっぽい、色気のない声が。
「わからないなら、教えてやるから」