無理すんなよ。
「おい!」
ふいに声が聞こえたかと思うと、後ろから肩を掴まれた。
「へっ?」
突然のことで、思わず間抜けな声を出してしまった。
目の前に映ったのは─────少し制服を着崩した男子だった。
この人、誰?
息が切れていて、ここまで急いでここまで来たということだけはわかる。
見たことも話したこともないけど、私に用がある……ってことでいいのかな?
「どうかしましたか?」
戸惑いながらも、目の前の彼に声をかける。