無理すんなよ。


それから数時間後、遥生は意識を取り戻して寝起きのように大きなあくびを見せた。




「ふわぁ……あれ、琴?」



「遥……」



まだ寝ぼけているのか、舌っ足らずな口調の遥。



でも、良かった。




「遥、学校で倒れたの。覚えてる?」



「え?そうだっけ……?」



呑気だなぁ、遥は。



私も、遥のクラスメートも、本当に焦ってたのに。




「お母さんは?」



「えっと……病院の先生と話してるところだと思う」



もしかしたら、薬が増えるかもしれないんだって。



学校へ行くことが負担になるのなら、行けなくなるかもしれないんだって。

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