無理すんなよ。


でも、そんなのきっと遥は望んでない。



自惚れてるわけじゃないけど、私にはそれがわかる。




「そっか。ねぇ、琴」



私の目を見つめて、遥は笑う。



まるで、何も知らないかのように。子どもらしい笑みを浮かべる。




「ちょっと、外の空気吸わない?」






そんな遥の提案で、私達は病院の中庭へやってきた。



ここは、病院の中で唯一外の空気に触れられる場所。




あたたかい風が髪をなびかせる。



それと同時に見えた遥の横顔。……やっぱり、双子とは思えないほど綺麗。

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