無理すんなよ。

「ねぇ、遥。素直でいてよ」



やっぱり私達、似てるんだね。



遥が縋れる唯一の場所は、私の隣なんでしょう？



それなら、他の人の前では繕ってもいい。でも、私の前では正直でいてよ。




「こ、とぉ……っ」



私を見て、涙でいっぱいになった遥の瞳。



なんて綺麗なんだろう。絶対に汚したくはない、そんな瞳。




「大丈夫。私が守るから」



こんなにちっぽけな私でも。たとえ無力な私でも。



遥のためなら、なんだってできる。それを、証明してみせるから。




「今は泣いていいよ、遥」



ふたりのときは、素直でいよう。これが、私達だけの秘密の約束。