無理すんなよ。


私達の問題にふたりを巻き込んでることが申し訳ないけど、これは譲るわけにはいかない。



今までの関係が歪だっただけで、これが本来の姉弟の形なのかもしれない。




「……琴葉、そろそろ何があったか聞いてもいいか?」



探るような、でも優しいその言葉が私の心を何よりも締めつける。



わかってる。ふたりには話さなきゃならないってことくらい。でも、それでふたりまで離れていったら……。




「私も聞きたい!遥生くんと何があったの?」



麻莉奈も、困惑した瞳で見つめてくる。その眼差しに圧倒されてしまうのが、私の弱点だ。




「距離を置くことにしたの」



私の気持ちは悟られないように、淡々と言葉を並べる。



遥とは一緒にいたいけど、今が我慢しなきゃいけないときだ。このときを乗り越えれば、また元に戻る、よね……?

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