無理すんなよ。
「もちろんだよ!だって僕達は、血の繋がった姉弟だからね」
姉弟。この関係がときに嫌だった。その理由だけじゃ遥のそばにはいられないから。
姉だから。それだけで一緒にいることは許されない。だから、回りから反感を買ってしまうこともあった。
でもね、それを恐れて遥と向き合わなかったら、それこそダメなことだと思うんだ。
「遥、私ね……遥に依存してたの。後ろについてけば大丈夫だって言い聞かせて、自分から前に進もうとしてなかった」
「それは、僕もだよ……」
ふたりで顔を見合わせて少し沈黙する。私達はやっぱり姉弟だ。どこか似てるのかもしれない。
「だから距離を置いてたでしょ?でも、きっとそうじゃないんだよね」
ひとりでに言うと遥も頷いた。ベッドから起き上がって真剣な顔をする。
「頼ってもいいんだよ。一緒に支え合えばいいんだよ。それが “ 家族 ” だよね」
「……うん!」
元気に返事をした遥は、もう不安げな顔をしてない。このときは、空いていた心の穴が埋まった……ような気がしていた。