ヒミツの夜、蛍の光の中で
狭い空間で
「これから、委員決めをします」
そんな先生の言葉とともに、教室からは批判の声が飛び交う。「めんどくさい」とか「嫌だ」とか。
委員会って何をするんだろうか?
中学のときは図書委員だった。
部活にも入っていなかった俺は、本を読むことが好きで自分から手を挙げたんだ。
でも、高校では部活に入った。
なかなか時間もとれないし、手を挙げない方がいいな。
そう思って、手を挙げなかった。
でも、周りの人も誰も手を挙げていない。
この場合は適当にくじ引きで決めるそうだ。
もしも本を大切に扱わない奴が図書委員になんてなったら……。
そう考えたときには、もう手を挙げていた。
「……図書委員、やります」
気づいたときには拍手とともに、俺の名前が黒板に書かれていた。
……また、やっちまった。
こうして俺は、全ての始まりである図書室に足を運ぶことになった。