ヒミツの夜、蛍の光の中で
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そして、委員の顔合わせの日がやってきた。
周りは知らない人ばかり。
当然のことながら上の学年の人もいて、少し緊張する。
そんな中での自己紹介。
少し噛んだが、まあまあ印象に残る挨拶ができたと思う。
『宮岸蛍です。よろしくお……っこの本は!○○年発売のあの有名な伝説の本!』
というように、自己紹介のはずが本の紹介をしてしまい、赤っ恥をかいた。
でも、そのおかげでこの図書室にはお宝がたくさん眠っていることがわかった。なんだか、楽しみだ。
いつもは静かな方だと言われるが、本が絡むと口数が多くなるのが俺の特徴。
それほど本は好きだ。
そんな調子で周りの本を眺めているうちに、顔合わせはあっという間に終わった。
自己紹介と図書室の構造、本の配置場所、担当の曜日を決めたが、あまり聞かずに本を探していたことしか記憶にない。