ヒミツの夜、蛍の光の中で
寂しそうな横顔
「陸、パスッ」
「おうっ!」
ボールを回しながら前へ前へと進んでいく。
「いけっ、蛍!」
そのままシュートしようとすると。
「いただきっ」
素早い身のこなしをした先輩に取られる。
今のは……知陽先輩?
さすが3年生。さすが部長。
一緒にプレーしていても、その強さに見入ってしまう。
今は部活中。この時期は1年生はあまり練習に参加できない。
でも、先輩が休憩している少しの時間だけボールを触ってもいいことになっている。
だから、陸とパスを回してシュート練習をしようと思っていた。
そこに知陽先輩が乱入してきた、というわけだ。