ヒミツの夜、蛍の光の中で
そこまで思いついてからは、もう考えるまでもなかった。
答えはもう、出ていた。
いや、あの体育館に入って練習の様子を見たときから、決まっていた。
「俺も─────やりたいです」
もうためらいはなかった。
先輩は俺の顔をまっすぐに見つめると、今度こそ満面の笑みを見せてくれた。
「よく言った!頑張ろうな」
あぁ、俺は。認めてもらえたんだ。
初対面なのに、ここにいていいと言ってもらえたんだ。
「これ、入部届けな。名前とか書いて、俺のクラス……3年4組だから。持ってきてくれよなっ!」
印象に残っているのは、ニカッと笑う爽やかな笑顔。
そして、遠くから見ていてもわかるほどの熱意。
この人となら、頑張れる。
頑張ってみようと、そう思った。
青春をこの部活に懸けてみるんだ。
そうしたらきっと、きっと─────。
“ アイツ ” も見ていてくれるはずだから。