きゅんらぶ・あそーと
*** after story
*** another side

「…はぁっ、朋っ」

「まだほら、チョコ残ってる」

「でもっ」

「ずっと俺に食べて欲しかったんだろ?」

「んっ…」


1粒1粒、口の中に入れる。

舌に触れると、それだけでチョコは少し溶けて、指にも絡まる。

「これもちゃんと舐めて」

「うん…」

ぺろりと指先のチョコを舐め取ってもらったら、次は俺がコイツの口の中のチョコを舐める。

甘いモノは嫌いだけど。

これなら、もっと食べていたい。

もっともっと。

隅々まで残さないように。


「朋っ、もぉ、ほんと無理っ…」

膝から崩れ落ちるのを受け止めた。

「もしかして気持ち良かったの?」

「こんな日の暮れた屋上で、寒くて体が冷えたからだしっ!」

俺が意地悪く言うと、顔を真っ赤にして反論する。

「へぇ、その割に火照ってるみたいだけど?」

「違うもん、バカ朋!」

「じゃあさ、帰ってから暖めてあげよっか?チョコもまだ残ってるし」

「っっっ!」

小さい頃から、俺に勝てた事なんてないんだから、いい加減諦めろよな。

*** fin
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