きゅんらぶ・あそーと

3/25*先輩を振り向かせる為なら【卒業式シリーズ】

【後輩*卒業式*生徒会室*策士】


「真弓先輩、お疲れ様でした」
「ありがと。これで本当に全部終わったなぁ」

生徒会室で一息つく。
卒業式での挨拶が元生徒会長の私の最後の仕事。

「最後まで凛々しくて格好良かったです!」
「今度は大地君の番だよ。新生徒会長さん」

からかうように言うと、さっきまでの元気は消えて、大地君は俯いてしまった。

「どうしたの?」
「俺、すっごく不安です…。先輩みたいにちゃんとやれるかなって…」

そうだよね…
私だって『女子が生徒会長?』って言われてたもん。

「大地君なら大丈夫だよ」

彼の頭を撫でながら言う。

「でも…」
「私、時々様子見に来るから!」
「…本当ですか?」
「うん!」

すると大地君は顔を上げて私の手を取り、思いっきり迫ってきた。

「やった、先輩大好き!」
「大地君、もしかして…」
「真弓先輩を振り向かせる為ならどんな演技でもするよ?」

やられた…可愛いから許すけど…!
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