きゅんらぶ・あそーと

1/27*震える声が可愛くて ~from【君の声が、僕を呼ぶまで】

【先輩*部活中*保健室*ヤキモチ【お題】】


消毒液をそっと膝の傷口へ当てる。

「っ…」
「わり、滲みた?」

沙羅が声と足を震わせる。

ゆっくり何度も繰り返し脱脂綿を当ててしまうのは、
そんな可愛い沙羅をもっと見てたいから、わざと。
じゃない。と、思いたい。

捻った足首の周りを撫でる。

「先輩、くすぐったいです…」
「白くて綺麗な足まで赤く腫れて可哀想だけど…何かもう…全部可愛い」

あぁ、もう、ダメだ

「沙羅、好きだよ、ずっと好きだった」
大好きな沙羅の可愛い声を自分の中だけに押し込めたくて、キスをした。

「沙羅は、俺の事、嫌い?」
「…嫌いじゃない…です」

ズルい聞き方をした。
沙羅はアイツを見てる。
でも「嫌い」だなんて、先輩の俺に言えるわけない。

「じゃあ、いいよね…」
沙羅は真っ赤な顔を下に向けたまま。
ただただ、可愛い。
だから、自分のものにしたい。

もう一回、いや、足りない。
俺は、沙羅にキスを続けた。
< 166 / 184 >

この作品をシェア

pagetop