きゅんらぶ・あそーと

7/14*其の壱『背中を押したのはだぁれ?』【@学園の怪談】

【後輩*廊下*学園の怪談【お題】】


其の壱
どの学園にも怪談話はあるものでこの学園も例に漏れない


夜の廊下に2人の足音が響く。

「真弓先輩が怪談話に興味あるとは」
「生徒会への意見箱に『真相を突き止めて欲しい』って書いてたから仕方ないでしょ」

大地の質問に真弓が溜息をつきながら答えた。

「怖くないんですか?」
「書類の山の方がよっぽど怖いわ」
「流石、生徒会長」

凛とした真弓の横顔を大地は尊敬の眼差しで見つめている。

「来年は大地君が生徒会長なんだから…っきゃぁ!」

突然、真弓が抱きついてきた。

「先輩!?」

大地の視線の隅を小さな影が横切る。
大きさからしておそらくネズミだろう。

__なんだ、真弓先輩も怖いものがあるんだな、可愛い

大地は抱きしめる腕に力を込めた。

「せーんぱい。大丈夫ですか?」
「あ、うん、ありがとう…急に押されたような気がして」
「え?」

真弓の背中には血の手形がついていた。
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