君と恋がしたい短編集


「捨てるよ。持ってたって、虚しいだけ…」









自分で言ったくせに、また悲しい気持ちが襲ってくる。









心臓がぎゅうっと掴まれたように痛い。










苦しくなって俯いていると、私の側で影が動くのが見えた。











その影が私の正面に来て止まる。











「…じゃあそのチョコ、俺にちょうだい」












驚いて顔を上げると、広大が目の前に立っていた。
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