君と恋がしたい短編集


「これ…?」










さっきまで捨てようとしていたハート形の箱を、しっかりと握り直す。










「どうしても捨てるっていうなら止めねえよ。だけどお前、捨てるのも辛そうだったし」










「…」









何で。








何で私の気持ち、そんなに分かっちゃうの。








何でそんなに優しいの。









「いいよ、広大にあげる」










差し出した手が震えた。
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