君と恋がしたい短編集


何が起きたのかと思っているうちに、優しい柔軟剤の匂いが香る。









気付いたのは、私が広大の腕の中にいることだった。









泣き続ける私の頭に手を置いて、広大は動かない。









「ごめん。我慢できなくなっちまった」










耳の近くで聞こえる、広大の低い声。










「どういう…」










「何でもねえよ」










頭に乗せたままの手でもう一度ポンとされる。











私を抱きしめる広大は優しくてあたたかかった。



Fin.
< 23 / 36 >

この作品をシェア

pagetop