君と恋がしたい短編集
「うん。俺もらってない」
「え、じゃあなんで…」
最後まで言う前に、林君に腕をつかまれて引き寄せられる。
「ひゃっ」
驚いて思わず変な声が出てしまう。
引き寄せられたそこは林君の顔の間近。
林君は私の耳に手を当てた。
「逆チョコってやつ。俺、菜乃花ちゃんのこと…」
耳元でささやく声。
林君がこんなに近くで、私にささやいている。
ドキドキしてとろけてしまいそうなほど。
「俺、菜乃花ちゃんのこと、好きだから」
それだけ言って林君は私から離れた。
「ひゅー!林お前何してんだよ~」