君と恋がしたい短編集
「写真、ありがとうございました!」
本当に泣きそうになってきてしまったから、早めに切り上げよう。
「藤井。手出して」
「え?」
帰ろうとする私に先輩が声をかける。
よくわからないまま右手を差し出すと、先輩は私の右手に何かを置いた。
「え、これって…」
ブレザーに付けていた校章が私の手の中で太陽の光でキラキラしていた。
「その…お前に第2ボタンとかあげたかったんだけど、取られちまって」
「け、けど、なんで私に?」