君と恋がしたい短編集
「裕翔こそ何してんの。部活中でしょ?」
「水筒を教室に忘れちまってさ。ノドが乾いて死にそうなんだよ。今水道壊れてるし」
「ははっ」
私が笑うと、私がいる近くの机の横から、黒い水筒を取り出した。
「ね、ねえ。裕翔」
突然声をかけると、裕翔は振り返った。
その顔すら優しくてかっこよくて、またキュンときてしまう。
「チョコ…何個もらった?」
あれ、何聞いてるんだろ、私。
裕翔はモテるんだから、数えすらしないこと前の年から分かってるのに。