君と恋がしたい短編集
微かに唇に残る、裕翔の熱。感覚。
今、いまいまいま、キス…!
体温が急激に上昇して、心臓の音がうるさい。
そんな私をよそに、裕翔は自分の唇をなめて笑った。
「悪い、チョコの数ウソついた。今ので一個だ」
自分の唇に触れると、指にチョコがついた。
私の口にチョコがついてたんだ。
「今年はもらえると思ったのにな。カレカノなんだし?」
意地悪な顔をして笑う裕翔がやっぱり私は大好きなんだ。
「もう一個だけ、チョコちょうだい」
私が返事をするまえに、裕翔はもう一度私の唇に軽く触れた。
Fin.