君と恋がしたい短編集
隣の君とバレンタインの約束を
キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴って授業が終わる。
「ちょっといいかな?」
「おう…」
教室の端っこから聞こえてきた男子と女子の声。
あー、チョコ渡すんだなぁ。
私だって好きな人がいない訳じゃない。
そんな勇気なんかないだけ。
バレンタインで賑わうクラスメイトを横目に板チョコを割って口に入れる。
バレンタインデーに板チョコを食べるなんて、とんだ可愛げのない女子だなあ私。