『*ソラアイ*』
あげはは、何か言いたそうだったけど、黙ってた。


『んじゃ、買い物行こうかV』


私は、クマを置いて立ち上がった。

「…そうね。私、靴欲しいわ。」

あげはは、ふっと笑って、私の頭をポンと叩いた。

「ねぇ。美羽。。‘恋’てすごく単純で頭でいくら考えたって、気付いた時には、もう始まってる時だってあるんだよ。きっかけなんかどうだっていいよ。気持ちに蓋をしたって、なんの解決にもならない。」

あげはの声が私の心に響く。

「私は、あんたが何を思っても責めたりしないから、安心しな。」

ニヤリと笑うあげは。


『だから、違うってば!』

「はぃはぃVじゃぁ、買い物行こう〜」


さくさくと玄関にむかうあげは。もう買うものを決めてるみたいで、欲しいものを指でかぞえてる。

“あげは。ありがとう。”
私は、心の中で、つぶやいた。



     **       *       **
    *

       *

…―あげはの言うとおりだった。恋なんて気付いた時には、もう始まってて、自分の気持ちに蓋をしたって、何の解決にもならなかった。


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