『*ソラアイ*』
走って息切れする身体。もう叫ぶこともできない。

『あっ、あげは。…待って…。』

あと少しで追いつく。
あげはに、手を伸ばした瞬間―。




ざっぱーん!!



『!?』

突然、水に打たれた。

『なっ。冷たっ!!』

びっくりして上を見ると、クラスの女子がバケツを持ってた。窓から水をかけられたのだ。

しかも、あの女は坂城!!あいつ、私が真知と仲良いのが気にくわなかったしなぁ。

きっと、真知の好きな人を私がとったとでも、思ってるんだろ。


まさか、その腹いせか?!

イライラしてきて、上に怒鳴ろうとした。


「坂城。そこから、水捨てるなって言ったじゃない、なにやってんのよ。」


私が、言う前にあげはが上に向かって叫んでた。


「ごめ―ん。あげは。誰もいなかったから。つい。」
てへって感じで、舌を出して謝る坂城。


いや。
私、いるんですけど。


あげははため息をついて、スタスタと行ってしまった。
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