『*ソラアイ*』
教室を出て声の方を見ると、廊下で真知がクラスのこと話してた。

“病院”て、真知どうしたんだろぅ?


そんな事を思いながら、真知を見てたら、真知と目が合った。

私は、居たたまれなくなってとっさに目を反らした。真知も知らんぷり。


お互い、暗黙の了解みたいに、ただすれ違う。


大親友だった真知。
隼人を好きな真知。
きっと今、隼人と一緒に帰る私の行動は許せないよね。


うつむく私に、隼人が顔を覗きこんできた。


「美羽?どうした?」

しかめっ面の顔。心配してくれるんだ。
優しい隼人…。


『…うぅん。何でもない。』




隼人には、言えない。


真知と私の好きな人は隼人で、お互いそれでギクシャクしてるなんて。
ましてや、私が真知が隼人を好きだと知って初めて自分の気持ちに気付いたなんて。


そんなの


‘醜くすぎ’て、言えないよ…。





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