大好きなきみへ、あの約束をもう一度



「みんな、ありがとうっ……」


「今度は、俺達が手を離さねーから」


海斗はそう言って、私の左手を握って引いた。



「私も、湊ちゃんの手を離さないよ。私のことを、助けてくれた時みたいに」



今度は、右手を文子に握られた。

私も、2人の手を……大切な人の手を2度と離したくない。



「俺のことも忘れないでねー!」


「えっ……わ!」


――ガバッ。

尚先輩の声が聞こえたと思うと、後ろから海斗と文子も巻き込んで尚先輩が抱きしめてきた。



「わっ、尚先輩、暑苦しいっすよ!」


「海斗〜ツレないじゃん!俺も、みんなとくっつきたいんだよぉぉー!」



スリスリと海斗に頬ずりする尚先輩。

それに海斗が小さな悲鳴を上げた。



「ちょっ、俺にそういう趣味ないっすから!つか、早く湊から離れて下さい!」


「やー、海斗は湊ちゃんがよっぽど大切なんだね〜」


そう言って、意味深な視線を向けてくる尚先輩。

尚先輩……??


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