大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「尚先輩、尚先輩、私たちは、先に帰る支度しましょう。湊ちゃんたちは、後からでいいからね」
「お〜、気が利くね、文ちゃん!」
そう言って、なぜだか海斗と2人、海辺に置いてかれる。
なんで、こんなことに……?
突然2人にされて、戸惑うんだけど……。
恐る恐る海斗を見上げると、見事にバチッと視線が重なる。
「あっ、ごめんっ」
「わ、悪い!」
もうやだ、同時に見ちゃうとか……。
別に、ただ目が合っただけなのに、恥ずかしい。
目が合うのなんて、これが初めてじゃないのにな……。
「つか、俺たちなんで謝ってんだろーな?」
「えっと……はは、確かに」
そう言って、顔を見合わせると、同時に吹き出してしまった。
なんでか、この時間がずっと続けばいいなって思う。
海斗と、もっと一緒にいたいな……。
「湊のこと、今日もまた一つ知れて嬉しいよ、俺は」
「海斗……」
私も、私のことを海斗に知ってもらえて嬉しい。
でも、どうしてこんな風に思うんだろう。
文子も、尚先輩のことも好きなのに、海斗のとは少し違う気がする。