大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「好きだ、湊」
「っ……海斗っ、私もっ」
繋がれた手を、握り返す。
その気持ちが嬉しくて、たまらず泣いた。
「私の辛い時に、海斗が傍にいてくれてっ、本当に嬉しくて……っ」
「ん、そっか……」
海斗は、愛おしいモノに触れるように、そっと私の涙を拭ってくれる。
なのに、その優しさがまた私の涙腺を緩ませた。
「いつの間にか、海斗の傍にいたいって思った……っ」
「超嬉しい……ありがとな」
「お礼を言うのは私の方、本当にありがとう海斗。それから……」
伝えよう、この胸にある熱の名前を。
そう、今なら迷いなく言える。
「好きだよ、海斗っ」
「ん、俺も……超好きだよ、湊」
もう一度近づく海斗の唇に、そっと瞳を閉じた。
親友の早織や文子、尚先輩に抱く大切とは違う感情。
優しく包み込む様に、そして時に燃えるように熱くなる海斗へのこの想いが……。
『恋』だと気づけた瞬間、ストンッと胸に空いた穴が埋まった気がした。
早織を救えなかった私が、この想いを貫いていいのか……まだ不安だけど……。
そんな不安を振り払うように、感じる温もりに身を委ねる。
……この人と、生きていきたい、そう思うから……。
――ザァーッ、ザァーッ……。
夕暮れの、静かな海で2人。
波の音だけが聞こえる中、私たちはもう一度お互いの存在を確かめるように口付けを交わしたのだった。