大好きなきみへ、あの約束をもう一度
――バサバサバサッ。
「はぁっ……はっ……」
目が覚めると、見慣れた私の部屋にいた。
びっしょりと張り付くように濡れた服と、前髪。
全てが夢だったのだと気づくと、ホッと息をつく。
「早織っ……」
そうだよ、早織がいなくなるはずないんだから。
ずっと傍にいてくれるって言った。
早織が私に嘘なんて付くはずない。
「なのに……どうしてこんなにっ……不安なのっ」
ガタガタと震える体を抱きしめる。
そして、襲ってくる不安に耐えようとした。
夏休みも残り半分。
この季節は、嫌でも早織の『死』を思い出させる。
早織が消えた時の事なんて、考えるのはやめよう。
夢は、夢でしかないのだから……。