大好きなきみへ、あの約束をもう一度
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夏休みも残すところ2週間になった。
私はというと、夏休みの特別貸出期間のため、尚先輩と図書室で図書委員の仕事をしている。
「おいおい、こんな夏休みまで図書室使うヤツいんの?」
「え、私も本好きだから、夏休みに使いたい気持ちわかるなぁ」
「文子、ザ・文学少女って感じだもんな」
そう、委員会のはずが、海斗と文子もいる。
これにはわけがあって……。
時をさかのぼること数日前、海斗からきたメールから始まった。
***
数日前、お風呂から出た私は、なんとなくスマートフォンを開くと、メールが来てることに気づく。
「あ、メール……って、海斗だ」
慌てて内容を確認すると……。
《from:海斗》
件名:俺だよ、俺。
本文:よう、湊!
元気にしてるか?
夏休みももう終わるな。
その前に、湊とデートしたいんだけど!
「デ、デートっ……」
俺だよ、俺……の部分はいつもの海斗のウケ狙いなので、スルーするとして。
そんなの、私したことない!
どうすればいいのか分からなくて、パニックを、起こしていると、ふと大変なことに気づく。
「まって、私……始業式までずっと委員会だった」
海斗と、デートなんてしてる時間なくない!?