大好きなきみへ、あの約束をもう一度



「私っ……やっぱりあの日から壊れちゃったんだっ。こんなの、おかしいよねっ……」



「……大事な親友を、目の前で、失ったんだ。混乱したって、別におかしな事じゃない」


「海斗……でも、私はきっとおかしいっ」



みんなから、気持ち悪いって言われてるのも、クラスで浮いてたのも……間違いじゃなかった。


私が、最後まで信じていた幻は……私の弱さ。

もう、とっくに心なんて壊れてたのかも。



「……湊は、おかしくなんかねぇよ」


「……いいよ、気なんて遣わないでっ!!」


「湊にとっては、幻だろうがなんだろーが、大切な親友に変わりねーんだろ」


海斗……。

あの、早織の幻は……そう、どんな姿でも、私の親友には変わりなかった。

そう、ずっと信じてきた……。



「その早織が、突然見えなくなったら、不安になるのは当たり前なんだよ。だから、お前がおかしいわけじゃない、湊」



そっか……私は、親友をまた失ったかもしれない。

その事が、不安で悲しくて……。

こんなふうに取り乱すのは、当たり前だって、海斗は言ってくれてるんだ。



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