大好きなきみへ、あの約束をもう一度


「早織との思い出が……絆が生きてたからこそ……。私は、優しくて、いつでも私を導いてくれた早織の幻を見たんだ」



それは、あの子が私の中に生きてる証。

それが分かったら、なんでかな……。


ボヤッと、世界が歪んだ。

頬に、静かに温かい雫が流れ落ちていく。



「どんなに季節が巡ったって、湊には早織と過ごした時間があるだろ?それを思い出して、笑っていればいいんだ」


「うんっ……私、なんでそんな大切なことに気づかなかったんだろうっ」



早織が、私を忘れてと言ったのも、やけに皆と仲良くなるように励ましてきたのも……。


きっと……全部全部、私のためだったのにっ。



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