大好きなきみへ、あの約束をもう一度



「信じてあげられてなかったのは、私だっ……」


「大切だから、見えなくなることもあんだろ。これからは、俺たちと一緒に、分からないことは一緒に考えてこーぜ」



海斗が、私を胸に引き寄せた。

あのね、海斗……。

いつでも、この腕の強さに、触れる体温に救われてたよ。


早織……私、この人たちと生きていく。



でも、みんなとの未来のために、早織との過去も捨てない。

海斗が教えてくれた、あなたとの過去を胸に歩いていくこと。


だから私……ちゃんと、早織と、向き合いたい。

早織の『死』とも……。

秋の風に、海斗の温もりに抱かれて、私は静かに、そう決心した。


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