大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「いいなぁ、2人の世界って感じだね〜。俺も、可愛い恋人が欲しいよ、ね?湊ちゃん♪」
「え?」
ニコニコ笑って、私の手をとる尚先輩。
え、なにこれ……どういう意味?
って、どういう意味も何も、尚先輩のいつもの冗談か。
「おいコラ先輩!何、人の彼女口説いてんすか!」
すると、すかさず海斗が尚先輩の手を叩き落とした。
そして、グイッと肩を引き寄せられる。
「か、海斗……。いつもの、尚先輩の冗談だって」
「なっ、湊!なんで、そんなに冷静なんだよ!」
むくれる海斗に、私は小さく笑う。
私のために、怒ってくれるのが嬉しいだなんて……。
こんな感情初めてだよ。
海斗からは、たくさんの初めてをもらってばっかり。
「話、それっちゃってるけど!早織さんと向き合うって、具体的にどうしたらいいのかな?」
すると、天の助けなのか、文子が話を戻してくれた。
さすが文子、こういう時しっかりしてるんだよね。
ありがとう、助かったよ。
心の中で文子に感謝しながら、私は頷く。