大好きなきみへ、あの約束をもう一度




「なぁ湊、もう湊には早織だけじゃないからな?」


「え……?」


海斗が、私の手を握って、優しく指を絡めていく。

驚いて、目を見開く私に、海斗はニカッと笑った。



「そうだよ、湊ちゃん」


「俺達は、湊とずっと一緒だよ!」



文子、尚先輩……。

あぁ、この言葉……前にも聞いたことがある。

そう、世界一大切な親友が言った言葉。


『ねぇ、湊、私たちずっと一緒だよ』


あの時と同じ、私たちは、何があっても……。

きっと離れない気がするんだ。



「俺たちは、湊の傍にいるからな」

「私たちは、湊ちゃんの傍にいるよ」

「俺たちは、湊の傍にいるからね!」


海斗、文子、尚先輩の声が重なる。


だけど、ちゃんと心に届いたよ。

そう、ずっと傍にいる……。

早織、私とあなたがした約束……。

それが、もう3つ、増えちゃったみたい。


「っ……ふふっ、すごく嬉しい」


涙がポタポタと流れてるのに、どうしてかな……。

こんなに胸が、温かいんだ。


この人達が、大切だから……私も、この人たちの傍にいたい。


私の周りは自分が思ってる以上に……にぎやかで、たくさんの人に大切にされてたみたい。


ねぇ、早織……。

だから私、あなたと一緒に……海斗たちと、未来に進むよ。


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