大好きなきみへ、あの約束をもう一度

今まで、ありがとう




始業式の翌日。

早織と向き合うことを決めたのはいいんだけど、お母さんとは気まずいままだった。


「み、湊……。昨日、病院は……」


リビングでお母さんと食事を取っていると、お母さんがおずおずと尋ねてくる。


「あぁ、うん……特には……変わってないよ」


「そ、そう……」


お互い視線を反らして、業務連絡のような会話をする。

はぁ……。

ちゃんと向き合うって決めたこと、伝えたいのに。

思い出すのは、夏休みの保健室での出来事。


『どうしてっ……早織のことを否定するの!?』


『早織がいなければ、私はっ……私は、生きていけないのにっ!!なのに、忘れろって言うの!?』



倒れた私に駆けつけてきてくれたお母さん。

なのに酷いことを言って……。

自分が何も出来ないから、そのもどかしさを何とかしたくて……当たってしまった。


自分のために私に優しくしてるんだって、最低なこと考えた。


「……ごちそうさま」


「気をつけて、行ってらっしゃい」



だからか、お母さんを傷つけた罪悪感でお母さんにどう接していいのか分からなくなっていた。


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