大好きなきみへ、あの約束をもう一度
――キーンコーンカーンコーン。
お昼休みが始まる合図の鐘が鳴る。
だけど、私はその場から動かずにボーッとしていた。
原因は、確実にお母さんのことだ。
午前中の授業も仲直りの方法を考えてたら、授業なんて右から左。
気付いたらお昼休みだった。
「おーい湊、行かねーの?」
私の目の前に突然海斗が現れて、私の席の前に肘をつくと、しゃがみ込んだ。
「あ、うん……行く」
「なんか、湊ちゃん悩み事??」
文子までそばにやって来て心配してくれる。
どうしよう、みんなに相談してみようかな。
なんでも力になるって言ってくれたし……。
でも、私の家のことなのに相談するのも変かな?
「湊、お前の話ならなんでも聞くぞ」
「海斗……」
そんな私の不安を察してか、先に言葉をくれた。
だからか、素直に相談しよう、そう思えた。
「うん、ちょっと相談がある」
きっと、今までの私なら自分から誰かに頼ろうとはしなかっただろう。
どけど、それが出来たのはみんなのことを信じてるからだ。
「りょーかい、んじゃ図書室行こうぜ」
海斗に手を掴まれて、立ち上がる。
そして、3人で図書室へと向かった。