大好きなきみへ、あの約束をもう一度



***


7月31日、ついに夏休みに入った。
家から車で1時間ほど、私達は早織のお母さんの運転でバーベキューが出来る川原までやってきた。



「きゃーっ!美味しそうっ、ヨダレでちゃいそう~っ」


「汚っ」



網の上で美味しそうな肉汁を垂らしながら焼ける肉を見つめて、早織が目を輝かせてる。

そんなことを言いながらも、私の口の中で唾液が増えるのがわかった。


「汚いって何よ、女の子に向かって!」


「女の子は、私、野菜でお腹いっぱい〜……って、言うんじゃないの」



棒読みで早織の口調を真似る。



すると、早織はどんぐりを口の中に溜め込んだリスみたいに、ふくれっ面をした。



「うるさいなぁ、私は肉食系女子なんですぅ!」


「女子……ねぇ?」


「ちょっと、その半笑いやめて!セーフでしょ、セーフ!」



これ、女の子的にはどうなんだろ。

いや完全に、アウトじゃない?



「あ、肉焼けたぁ〜、いただきっ!!」



真っ先に焼けた肉を頬張る早織は、今日一番幸せそうな顔をしている。


食べ物一つでも、こうして全力で楽しんでる。

そんな親友に、私はいつも笑わせられた。



< 2 / 228 >

この作品をシェア

pagetop