大好きなきみへ、あの約束をもう一度
電話が切れること10分、海斗からまた着信があった。
『湊、着いた!』
「あっ……す、すぐ行く!」
耳に当てながら、寝ているお母さんを起こさないよう静かに階段を降りる。
だけど、会いたい思いが強くて、つい駆け下りてしまった。
『おう、転げんなよ?』
「き、気をつけるっ……」
バタバタと走る足音を聞いたのか、海斗が笑う。
だって、会いたくて仕方ない。
今すぐ、海斗の胸に飛び込みたい気分だ。
そして、足にサンダルを引っ掛けると、寝巻きのまま外へと飛び出した。
「海斗!!」
『おう、湊!』
すると、少し先で海斗が片手を上げてる。
数歩先にいるのに、私達はスマートフォンを耳に当てたまま。
あんなに会いたかったのに、なぜか……。
想いが溢れて、言葉が出ない。