大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「さお、り……?」
「湊ちゃん、早織ちゃん、出てきてくれたの!?」
驚いている私に、文子が確認してくる。
私は、早織から視線を逸らさずに、静かに頷いた。
今、早織から目を離したら……。
またいなくなっちゃうかもしれない。
だから、目をそらしたくなかった。
『湊、久しぶりだね』
「っ……心配した、早織っ……」
もう、今すぐにでも泣きそうだ。
早織に会えて、こんなに嬉しいなんて……。
本当に、私は早織が大好きなんだな。
『湊ってば、いつもはクールぶってるのに、本当は寂しがり屋なんだから』
「だって……ずっと一緒に、いてくれるって言ったのに、もう一緒にいられないとか言うからっ」
『ごめん、湊。でも……湊には、もっと今を見て欲しかったから。だから、海斗たちと仲良くしてほしかったんだ』
私が、どんだけ悲しかったか……。
でも、本当に悲しかったのは、早織の方だって、分かってる。
私のために、どれだけ心を裂いてくれただろう。