大好きなきみへ、あの約束をもう一度



「さお、り……?」


「湊ちゃん、早織ちゃん、出てきてくれたの!?」



驚いている私に、文子が確認してくる。

私は、早織から視線を逸らさずに、静かに頷いた。



今、早織から目を離したら……。

またいなくなっちゃうかもしれない。

だから、目をそらしたくなかった。


『湊、久しぶりだね』


「っ……心配した、早織っ……」



もう、今すぐにでも泣きそうだ。

早織に会えて、こんなに嬉しいなんて……。

本当に、私は早織が大好きなんだな。



『湊ってば、いつもはクールぶってるのに、本当は寂しがり屋なんだから』


「だって……ずっと一緒に、いてくれるって言ったのに、もう一緒にいられないとか言うからっ」


『ごめん、湊。でも……湊には、もっと今を見て欲しかったから。だから、海斗たちと仲良くしてほしかったんだ』



私が、どんだけ悲しかったか……。

でも、本当に悲しかったのは、早織の方だって、分かってる。

私のために、どれだけ心を裂いてくれただろう。



< 204 / 228 >

この作品をシェア

pagetop