大好きなきみへ、あの約束をもう一度



「早織……私、結局自分のことばっかだったって気づいたの」


そう、私は……早織を失った辛さを、和らげることしか考えてなかった。

それでたどり着いたのが、早織の『死』を認めずに、幻に逃げたことだった。



「でもね早織、私……もう、早織から逃げたくない」


『うん』


「早織が……永遠に見えなくなってしまうとしても、私は早織とちゃんと向き合っていたい。だって……」


『私たちは、親友だもんね』



私の言いたい言葉を、早織が先に言った。

あぁ、やっぱり私たちは、心が通じあってる。

ねぇ早織……その絆を、信じるよ。



「うん……世界で一番大好きな親友」


『ふふっ、嬉しいなぁ』


本当に、嬉しそうに笑うんだから……。

その笑顔を目に焼き付けたいのに、涙が滲んでうまく見えないや。

でも、見えなくてもわかるよ。

きっと、眩しいくらいにまんべんの笑みを浮かべてるんだろうな。


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