大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「平気だって言ってるのに……」
「だって、お前顔色悪いんだって、マジで。ならせめて、座って休めよ」
頑なな海斗に、私は足を止めて振り返る。
すると、海斗も同じように立ち止まって、真っ直ぐに私を見つめ返した。
どうしたら……この人は無駄な心配を止めるんだろう。
私の心は、早織以外に誰も必要としてないのに。
なのに、私に関わろうとする意味が分からない。
「何を、考えてるの?」
「何って、どういうことだ?」
だって、変な話だ。
クラスの人気者が、こんな私にちょっかいを出す。
もしかして、私のことを知って、みんなに言いふらすとか?
何か、笑いになる種はないかって探してるのかも。
「……私の何を、探ってるのかしらないけど、どんなに探っても、面白い話のネタなんて出ないと思うけど」
「なっ……湊、お前なんの話をしてんだよ」
「だって、海斗が私に関わろうとする意味が分からない」
面倒なのに目をつけられた。
押しに負けてここまで近づくのを許しちゃったけど……。
良く考えたら、おかしいって分かったはずなのに。