大好きなきみへ、あの約束をもう一度
ご飯を食べた私達は、早速川へと向かう。
――バシャンッ。
「わぁーっ、気持ちいいっ!!ね、そう思わない、湊っ!」
「うん、本当にね」
裸足で、ゴツゴツとした石の感触を感じながら川の中へと入る。
早織の言う通り、夏の暑さにもってこいの冷たさだった。
「ねぇ、湊、向こう岸までどっちが先に行けるか勝負しない?」
「へ、何で??」
唐突な提案に、私は目をぱちくりさせる。
すると、早織はなぜか得意げに笑った。
「ふっ、ふっ、ふっー!勝負は青春を飾るにふさわしいイベントですから!」
「え、ごめん……ちょっと言ってる意味分からない」
「親友との思い出作りに必要なんですー!ささっ、行きますよ、湊」
そう言って、走り出す構えをとる早織。
こう言い出したら、どんなに私が面倒くさがっても、やり通すだろうし……。
仕方ない、付き合ってやるか。
「あ、勝った方が相手に一つだけどんなお願いでもできるって事にしない?」
「……えー、さらに面倒くさい……」
構えをとった私に、まさかのオプションをつけてきた。