大好きなきみへ、あの約束をもう一度

あの子がくれた魔法の言葉




翌日、私は海斗から借りたジャージを手に、学校へと登校してきた。

下駄箱で靴を履き替えていると、不意に目の前が陰る。


「うっす、湊!」


「え……」


私に声をかけてくるなんて変わった人もいるんだ……。

じゃなかった、この声には聞き覚えがある。


案の定、顔をあげれば……。


「なんだよ、キョトンとして。まーだ寝ぼけてんのか?」


「海斗……いや、挨拶される習慣になれてなくて」


「あぁ、湊はいつも周りをシャットアウトしてっからな。もう少しニコニコしとけって」



ニコニコって……そんな、いきなりハードル高い。


シャットアウトしてるように見えるのは、話す価値があるようなクラスメートが、いないからだし!


みんな人の悪口ばっか……くだらない。

だから、早織以外の人と話すのは嫌だった。



『ふふっ、海斗の言う通り!ほら、湊もっと笑いなっ!』


「早織まで……」



早織の方を見れば、口元に手を当てて、ニヤニヤしてる。

それをキッと睨んで、私は海斗に視線を戻した。



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