大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「うちのクラスのブス島とブツブツ真木が友達になるらしいぞ」
「浮いてるもの同士、お似合いだよねぇ」
周りの声も、気にならない。
でも、毒島さんはきっと怖いだろう。
周りの声も、クスクス笑う下卑た笑みも。
『大丈夫だよ』
「大丈夫だよ」
だから、私は毒島さんの手を掴んだ。
いつも、早織が言ってくれてた言葉。
そして、いつも光ある方へと引いてくれた手を思い出す。
『何があっても、傍にいるよ』
「何があっても、毒島さんの傍にいるよ」
すると、毒島さんの目がみるみる開いて、溜まっていた涙が頬を伝った。
そんな毒島さんの手を引いて立ち上がらせる。
「キモッ、めちゃくちゃ毒島泣いてんじゃん!」
「ギャハハッ、ヤベーっ、ブスがさらにブス!」
どっと笑いが沸くと、吐き気がするくらい嫌気がさした。
本当に、ブスはどっちが……。
心が汚れてる、性格ブスはあなたたちでしょ。
「っ……真木さん……」
「大丈夫、大丈夫だよ」
悔しくて、毒島さんの手を握る手に力が入いる。
何があっても、この手は離さないんだから。
真っ直ぐ教室の出口を目指して歩き出した時だった。